ちょっとした違い? 健康維持に役立つ食事の選び方

食と健康の習慣は小さいときから

年をとるにつれて、昨日の疲れがとれなくなってきませんか?
前の日の疲れは抜けず、疲れはたまる一方。
健康的な生活を送りたい!

そんなときに、最低限やること……。

バランスよく食べるのがよい?

毎日の食事はバランスよく、食べすぎない・食べなさすぎないこと。それから、適度に身体を動かすこと。ストレスをためない。これ以外にはありません!

なんか、親戚のおばちゃんの説教みたいですか?
これは貝原益軒の養生訓や、欧州最古で知られるサレルノ大学の養生訓にも説かれている、人類普遍の原理なのです!
ここから外れたメソッドは、どんなものであろうと(診断に基づき医師が行う食事療法は別ですが)、長い目で見れば「断じて正しくない」と言えます。

まあ、たとえ正論でも「言うは易く行うは難し」な内容ではありますね。

優柔不断な私たちができる範囲では、具体的にどんなことをしたらいいのでしょうか?

1:自分自身を知ること!

「え!? 自分自身を知るって、どういうこと?」ですって?

難しくあり、簡単でもある……。 こういうことです。

あなたは、ご存じでしょうか?
ご自身の身長・体重はもとより、
体脂肪率、BMI、血圧、筋肉量、心拍数(安静時および最大)といったバイタル数値。
そのほかに血糖値をはじめとする血液検査値。
食習慣(量、種類、傾向など)と運動習慣……。
それから、ご自身のメンタルその他に関する事柄。

おそらくですが、9割以上の人は把握できていないと思います。

あなたは把握していますよね?

厳密には、これらを知ったうえで、自分に必要な(適した)食材を選び、適切な運動を選択し、生活態度を考える必要があるのです。
一番お手軽ではありながら、一番リスキーなのは、他人が「これはいいのよ」「テレビで見たからやってみるといいわよ」なんて言葉を鵜呑みにして、安易に選択してしまうこと。
え? 昨日の朝、テレビで切り干し大根がいいって言ってた?
うーん。情報の内容はともかく、そのスタンスはよくありません。

極端な話ですが“筋肉をつけたほうがよい”と、あまり強度の高い運動をしてはならない人(たとえば高血圧の人)が、最大心拍80%を超えるようなスポーツを無理しておこなうと、ヘタすれば命にかかわる場合さえあるわけです。そして、あなたがその状態でないと断言できるでしょうか?
自分自身が今、どうなのかをしっかりと知っておく必要性、ご理解いただけましたか?

2:できるだけ規則正しい(一定リズムの)生活をする。

朝起きるのが苦手な人もいれば、わりとすんなり起きることができる人もいますよね。
仕事をしていれば、なかなかそうも言っていられないでしょうが、できるだけ同じ時間に起きるよう心がけましょう。
身体がリズムを覚えてくれると、そのリズムをもとに、自分にとって(生物学的に)好ましい方向に安定させようとするチカラが働くのです。これを恒常性維持=ホメオスタシスと言います。

仮に一定の生活を1か月なり3か月なり継続したときに、体重と体脂肪率やBMI値が安定していれば、少なくとも摂取と消費のエネルギーバランスは均衡を保てているということになりますし、極端に偏った食生活を送っているわけでもなく、自覚的に体調や気分も順調であれば、栄養や運動習慣、自身のメンタル状態も、まぁ、よいバランスを保てているだろうと想像ができるのです。
ホメオスタシスは、常に置かれた状態のなかで体を維持しようと調節するものです。

食と健康の習慣は小さいときから

3:1、2が前提のうえで些細なことに気を配って食べる

(1)朝食を食べる

食べてすぐ寝たりしていない限り、ふつうは、朝はお腹が空いて血糖値が下がった状態になっているはず。脳や身体を動かして1日のスタートを切るには不向きな状態になっています。
睡眠は生体的にもっともセーフモード状態なので、極論をすればヒトは放っておけば寝ます。これもホメオスタシスのひとつと言えるかもしれません。
もちろんスムーズに活動状態に移行できるように、このセーフモードを遮断し、強制的に血圧を上げるエマージェンシーモードも備わっているのですが、遺伝的にその機能が弱い(朝の運動が生まれつき苦手or朝の運動習慣定着ハードルが高い)人もいるらしいという研究報告もあります。

(2)栄養素の組み合わせを考える

栄養素には互いに吸収や代謝を促進(亢進)するものと、阻害するものがあります。俗にいう食べ合わせは、それらを経験的に指摘したものと思われます。
せっかく自分のためによかれと食べるなら、相乗効果が期待できるような食べ合わせをいくつか知っているとよいですよね。

たとえばカルシウムや鉄分は、タンパク質と合わせて摂るとよかったりします。
また、ナトリウム(つまり塩分)は他の栄養素に比べて吸収効率が高いため、ついつい摂取過多になりがち。それを少しでも緩和するには、ナトリウムの吸収を阻害する栄養素を同時に摂るようにすればよいわけです。それがカリウムです。
ナトリウムとカリウムは、天秤のように体内でバランスをとっています。
ほうれん草や里芋、ジャガイモなどに含まれているので、味噌汁の具としてこれらを入れるのは、味をよくするだけでなく、過度の塩分吸収を阻害するという栄養学的にも好ましいことなのです。
また、バナナやアボカドなどにも含まれているので、朝食は、洋風の方はベーコンエッグだけでなく、それらを合わせて摂るとよいと思います。考えてみると、伝統的な献立には、それなりに理由があるのだなと改めて納得させられますね。

(3)色や温度でバランスを考える

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先述のような組み合わせは、栄養学の本やサイトなどを調べれば出ています。
最近は、タブレットやスマホで手軽にチェックできるようになりましたので、ちょっと時間のあるときや買い物時にチェックしてみるといいですよ。

それができないときは、足りないものがないか、バランスを考えるようにすることです。細かな栄養素をいちいち把握することは困難ですから。

献立を想像して、緑(野菜)が足りないとか、赤(肉)が足りないとか、色味で考えてみると、わずかばかりでもヒントになります。

また、女性などで夏場でも冷たいものはよくないといって頑なに摂らない人を見かけますが、これもあまりおススメできません。
夏場は体内の熱を冷まし、冬は冷えた身体を温めるのが原則で、暑いときは冷たいものがほしくなります。簡単に言うと欲しいときは飲めばよいのです。
でも、冷たいもの“ばかり”飲む、あるいは“過度に”飲むのはよくありません。そこのところがいつの間にか“冷たいものはダメ”にすり替わってしまう。そういった捉え方の人は意外と多いようです。

(4)先人の知恵に学ぶ

戦後の栄養学において活躍された近藤とし子さんは「ま・ご・た・ち・わ・や・さ・し・い」というスローガンを提唱されました。
つまり「豆、ゴマ、卵、乳、ワカメ、野菜、魚、シイタケ、イモ」で十分な栄養素をバランスよく摂取できると、栄養三色運動を提唱されました。非常にシンプルですが、的を射た内容です。
食べ合わせや旬の食材、地産地消なども含めて、こうした先人の知恵は生理学や栄養学上の本質を捉えていることが多いので、自分にあったものを見つけて参考にするといいと思いますよ。

日々の暮らしのなかで、避けることのできない食事。
バランスよく、健康的においしくいただきたいですよね!